【六代目山口組】勢いのある組を求め移籍を繰り返す山口組【神戸山口組】【絆會】

写真左から六代目山口組司忍組長・絆會織田絆誠組長・神戸山口組井上邦雄組長
出典 日刊ゲンダイ

山口組分裂騒動が起きて、目まぐるしく各組織の間で分裂、移籍が繰り返されている。その移籍先は殆ど9分9厘といっても過言ではない位、六代目山口組、弘道会(本部名古屋)である。

昨今六代目山口組が神戸山口組に対して一方的な攻撃を受けて弱体化している神戸山口組傘下組員は身の安全、シノギの問題から移籍する気持ちも分らないでもないがヤクザ組織の堅い絆がアルバイト先を変える様に移籍している。【一生、この渡世でこの親分について行く】という思想は微塵も感じられない。本来のやくざ組織の流儀は今ではもう関係ないのであろうか。

山口組内の承諾なき移籍は四代目山口組対一和会の【山一抗争】から

本来、ヤクザ組織の移籍というのは輩出組織、受入れ組織、双方の組長同意を得て移籍するものであって組の寄合(定例会・幹部会)等を反故に電話連絡も無視して移籍するのが今は当たり前の様になってきている。

その中でも神戸山口組から独立組織となった岡山県に本部を置く池田組は所属していた神戸山口組の井上邦雄組長に話を通し独立組織になるという事に対し井上邦雄組長から同意を得たことは滅多にない事でヤクザとしての筋道が通っていると思われる

組員として所属している組長に対し勿論言い難いことである。

一般社会で言えば商売敵に転職するようなものだから、言い難いのであろう。

移籍するものにしては神戸山口組から六代目山口組に移籍しても果たして人事面やシノギの面、人間関係等スムーズにやっていけるか不安もあるだろう。

写真左から 初代山健組山本健一組長・四代目山口組組長代行~一和会 山本広会長・四代目山口組 竹中正久組長・三代目山口組 田岡一雄組長

こういった組長の了解も得ず、本来、ヤクザの規律に反して移籍が横行し出したのは四代目山口組(竹中正久組長)と一和会(山本 広会長)との山一抗争(1984年(昭和59年)8月5日から1989年(平成元年)3月30日)がきっかけである。

当時、四代目組長の跡目問題で分裂した一和会は、分裂当初は一和会の方が圧倒的に勢力が大きかったものの四代目山口組の切り崩し作戦で分裂後から一か月後には勢力が逆転し、その後、どちらも引けを取らない抗争を繰り返したが一和会ではシノギがやり難いと言う理由から次第に一和会の勢力が衰えてきて結局、一和会は山本広一和会会長が五代目となった山口組総本部(渡辺芳則組長)に解散謝罪する事で命の保証を約束した。この様な前例から【礼儀なき移籍】が横行したのである

神戸山口組はヤクザ組織なのか?

全国のやくざ組織は増えることもなく跡目を継ぎ様な形で暗黙の了解の如く決まっている。

昭和後期から新たに独立したヤクザ組織はなく他団体のやくざ組織を友好関係を結んでいる為になかなか一本組織なり全国のやくざ組織全部から祝福される事は無い。

神戸山口組発足の挨拶状

一和会もそうであった。構成人員は多かったものの四代目山口組から絶縁状より峻烈を極める【義絶状】という書面を全国の友好組織に送付しているのである。

山口組からヤクザ組織ではないという内容、つまりやくざ組織からやくざではない集まりと言われたのだから全国のやくざ組織から認められない集団なのだろう。

この義絶状は当時、宅見組宅見勝組長が考案してといわれており、この書面に憤慨した一和会側が竹中正久組長はじめ最高幹部数人を射殺する事になったといわれている。

一方、この度の神戸山口組を見てみると六代目山口組から神戸山口組そして任尿団体山口組(のちに任侠山口組~絆會)見ても神戸山口組立ち上げた発起人は全て破門、絶縁の処分を下されている。

やくざ組織いえば違法行為はするがその中でもやはり規律があり破門者は受け入れない、絶縁者は一生やくざ組織に入れない事を意味している。

建前から言えば、絶縁破門者の立ち上げた団体であり本来のやくざ組織からいえば【認められない組織】なのである。

山口組は他団体と友好を深め義兄弟の関係を多く結んでおり分裂となると他団体も戸惑う事だろう。ましてはやぶ蛇に抗争の加勢をするのであれば平成と違い警察に壊滅に追い込まれるだろうから静観するしかないだろう。

山一抗争では稲川会(神奈川本部)が表面上仲裁に入り抗争終結した。一和会も一応義絶状は出されたものの稲川会が入る事で一和会も絶縁者のやくざではない集団からやくざ組織と容認されたのであるがこの度の六代目山口組と神戸山口組(井上邦雄組長)と絆會(旧任侠山口組)との間には仲裁に何処の組織も入ろうとしない。

弘道会(竹内照明会長)じゃない名古屋以外での六代目山口組関係者 また、今は堅気になった元四代目山健組幹部も口を揃えて同じ事をいう。

【菱の代紋(山口組)に愛着があるんか知らんけど、どれも山口組を名乗ってやくざの筋道から言うたら盃受け取って、ケジメもつけらんと山口組で代紋も同じやったらそら、本家本元の山口組が怒るやろ、山口組名乗りたかったら我慢せなあかんやろ、親分子分の関係が崩れる。未だ山一抗争では組を割った方が山口組の代紋捨てて丸の代紋にしたんや。山口組の名前だけでしのげるから名前をコピーして神戸や任侠や付けて山口組にしたんやろ】

という。

極道の筋道から言えば山口組から絶縁、破門処分されたものが組織を作った組織はやくざ組織なのであろうか?よしんば神戸山口組が抗争に於いて優勢であったとしたとしても他団体はどのような対応をするのであろうか。

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